メリットデメリットを考えたら結婚なんてできない
先日、ある友人と飲む機会があった。その友人は独身で、「そろそろ結婚しなきゃと思うけど、結婚するメリットが見いだせない」という話をしていた。
確かに結婚のメリットデメリットを考えたら、正直、デメリットが上回りそうな気がする。
なのになぜ私は結婚したんだろう、ということを振り返って考えてみた。
◆結婚したくない理由は無数にある
自分の独身時代を思い出すと、「彼氏が欲しい」とか「一生彼氏できなかったら恥ずかしい」とかいう悩みはあったが、実際に彼氏ができるまで「結婚したい」と思ったことはなかった。
全くモテなかったこともあり、一人で生きる準備は万端だった。仕事もあるし、一人でどこにでも出向いて楽しめるタイプだ。
別に養ってもらいたいとも思ってないし、長年使っていて愛着のある苗字も変えたくないし、一人の方が気楽で自由だし、家事とか面倒くさいしやりたくないし、親戚づきあいとか苦手だし、子どもも絶対欲しいというわけでもないし、そもそも育児と仕事の両立とか自信ないし育休とって自分だけ仕事で遅れとるのも悔しいし…
と、考えれば考えるほど、結婚のメリットよりデメリットばかりが無数に思い浮かぶ。おそらく私は結婚には向いてない類の人間である。
◆それでも結婚したかった理由
そんなわけで私も結婚するメリットなんて特段思い浮かばなかったわけだが、それでも結婚した理由はと問われれば、一言でいえば
貞操義務
これにつきるのではないかと思う。
日本の結婚制度は一夫一婦制である。貞操義務があり、一度結婚したら、その人以外と良い関係になってはダメよという制度になっている。もし相手が不倫をしたら、それを理由に慰謝料もとれるし、場合によっては離婚もできる。
つまり、相手が好きで、他の人に相手をとられたくなかったから、というのが唯一の結婚を決意した理由といえるだろう。もちろん結婚したからといって相手の心を必ず繋ぎ止められるわけではないが、離婚は彼氏彼女の関係で別れるのとはワケが違う。かなりハードルがあがるのは間違いない。
多分メリットデメリットを考えたら結婚なんてできないのではないだろうか。好きだから相手を独占したい、そう周りに宣言して牽制したいという気持ちが大きかったような気がする。
◆結婚してみて感じた結婚のメリット
では実際に結婚してみて感じたメリットはなにか?
まずは、お互いの苦手なところを補い合えるというのは大きいかもしれない。例えば私は料理するのが嫌いだが、一人でやるより二人で手分けしてやった方が早くできるし、手間も半分になる。
あとは二人でいると単純に安心するというのはある。大嫌いな虫(Gから始まるやつ)が出た時も、一人で戦うより二人の方が心強い。夜寝るときも、独身のときは、幽霊(!?)とか不審者とかが怖いので電気をつけて寝ていたが、今は暗闇でもぐっすり眠れる。
もちろん結婚したことによるデメリットも様々あるものの、まぁ総じていえば、思ったよりもメリットがある、というのが私の感想である。
但しメリットはそんなささやかなものなので、生活習慣や価値観がまったく違う場合には、メリットよりそのストレスによるデメリットの方が上回ってしまうだろう。
◆10年後の未来
そんなわけで、私の経験の中でいうならば、「相手を誰にも渡したくない」と思う程度まで好きでないとなかなか結婚には踏み切れないと思う。
しかし、ここでまた一つの疑問が。
「相手を独占したい」という、この気持ちはいつか消える時がくるのだろうか?もし消えるとしたら、それでも結婚を続ける理由を自分は何に見出すのだろうか?
よく言うように、また形の違う「愛情」に変わっていくのか?
もちろんそうあってほしいが、その答えは今の私には分からない。